【勤務医企画】勤務医のほとんどが経験しているアルバイトの実態とは|ドクターズアイ.com

多くの勤務医が経験のあるアルバイト

現役医師の皆様のお役に立つ情報を提供する「ドクターズアイ.com」が、勤務医に関連したトピックスをコラム形式でお届けします。今回は勤務医のアルバイトを題材にしたコラムです。医師免許を取得してからの2年間の前期研修医期間中のアルバイトは、厚生労働省によって禁止されていますが、3年目の後期研修医期間からは晴れて解禁となります。後期研修医は、所属する病院によって待遇に差があるので、自身の生活のためにもアルバイトに励む勤務医が多いそうです。

 

医療業界にとっても欠かせないアルバイトの存在

一般的にコンビニや居酒屋などはアルバイト店員がお店を回しているイメージですが、実は医療業界も非正規雇用の労働力によって支えられている面が大いにあるのです。深刻な医師不足に陥っている昨今の医療業界はまさに“猫の手も借りたい状態”であり、アルバイトが外来や当直を対応することで何とか運営できている医院もあるそうです。

一部を除き、国公立病院ではアルバイトが認められていないケースが多いと言われていますが、その他の病院の勤務医は日常的にアルバイトが行っているのが一般的。インターネット上でも“医師専用のアルバイトを募集する求人サイト”が存在するなど働き口の選択肢も多く、ほとんどの勤務医はアルバイト経験があるのが普通なのです。

アルバイトを行う理由として、最大のモチベーションとなるのは何といっても金銭面。特に大学病院に勤務する20代から30代の若い医師の給料は、同年代の一般的な職種と比較してもあまり差がないようであり、“生活費の足しにする”という理由でアルバイトをしている人がほとんどです。収入のためにアルバイトを行うことは、若い医師にとっては常識と言えるでしょう。中には常勤先を持たず、月に100時間以上のアルバイトで年間1,000万円以上を稼ぐ“フリーター医師”も存在するのです。

 

寝当直など楽なバイト先が人気傾向に

外来や手術、日当直、健康診断などアルバイトが担っている業務内容も多岐にわたるだけに、慢性的な医師不足に悩む医療業界にとってアルバイトはもはや欠かせない存在です。アルバイト先をどのように探しているかというと、先輩や医局からの紹介がもっとも多く、最近では医師専門の人材紹介会社や、インターネット上で医師求人広告専門の情報サイトなどを利用するケースも増えてきています。

アルバイト先として人気があるのは、「自宅から近い」「時給が高い」「忙しくない」という3点の条件を満たしているケースです。もちろんこうした好条件の場合は、人気があり競争率も高いため簡単に見つかりませんが、アルバイトの実績を積んで成果を出すことで、よりよい条件のアルバイト先を優先的に紹介してもらえるようになります。

また、病院の中には急患がめったに来ることがなく、あまり忙しくないラッキーなアルバイトもあります。それが「寝当直」です。読んで字のごとく“寝ていても大丈夫なくらい暇な当直勤務”を意味します。寝当直は業務内容に対して報酬が高く、金銭事情に苦しい若い医師にとっては優良案件と言えます。日中の診療バイトでは時給1万円が相場と言われていますが、1度の「寝当直」だけで4~5万円を稼ぐことも可能なだけに、応募が殺到するようです。

 

アルバイトをするうえでの注意点とは

病院にとっては人員のリソース不足を補え、医師本人にとっては臨床の実績を積みつつ給料の不足分を補える――このように医師のアルバイトは雇用側にも被雇用側にもメリットがあります。しかし、ただでさえ激務の勤務医が常勤する病院での業務の他にアルバイトまでこなすとなると、十分に休息を取る時間がほとんどなく、健康状態が危ぶまれます。“医者の不養生”という言葉がありますが、患者の健康や命を預かる立場の人が自身の健康状態を害すというなんとも皮肉な結果を招くことも。

そして、健康面以外にも注意が必要なのが確定申告です。アルバイトでの収入が年間で20万円を超える場合は、勤務医であっても申告をする必要があります。万が一申告漏れがあった場合は、延滞税や加算税が追徴されることになるだけに、しっかりと勤務状況について自己管理する必要があります。

お金を稼ぐことも、臨床実績を積むことはもちろん重要です。しかし、体やお金の管理ができないのであれば、どこかで綻びが生じて悪い結果を生むことにつながりかねません。アルバイトに精を出しすぎて、勤務先での業務が疎かになるのもまた、本末転倒です。アルバイトを行う際は自己管理を徹底すべき――この基本条件を守れない医師は、常勤している勤務先でまずは真面目に働くことをおすすめします。