病院内部に属する勤務医の事情~必須となる睡眠時間の確保~|ドクターズアイ.com

激務の勤務医は睡眠時間の確保が死活問題

現役医師の皆様のお役に立つ情報を提供する「ドクターズアイ.com」が、“病院内部に属する勤務医の事情”についてのシリーズコラムをお届けします。以前に医師として活躍するためには健康管理が重要なことをご紹介しましたが、健康状態を保つためにも必須なのが十分な睡眠です。ただでさえ現代人は寝不足になりがちなだけに、夜勤などのシフトで生活リズムが乱れがちな勤務医は、その傾向がさらに強まってもおかしくありません。診療や手術の際に致命的なミスを犯さないためにも、きちんと睡眠時間を確保することは重要な仕事の一つと言えるでしょう。

 

ミスが許されない職業だけに睡眠不足は禁物

人間にとって睡眠が不可欠であることは、医師ではない一般の人にとってももはや常識です。脳や心身の疲れを取り除き、ストレスを緩和させて精神をリラックスさせ、身体にとって重要なホルモンを分泌させる――睡眠は人間にとって重要な役割を担っているため、誰一人眠らずに生きていけはしないのです。ただ、睡眠の重要性を認識していながらも、多忙を極める現代人は総じて睡眠不足に陥りがち。眠い目をこすりながら、仕事や学校に向かっている人も多いことでしょう。

1、2日の睡眠不足であれば、休みの日にまとまった時間を寝ることで解消されることもあります。ただ、慢性的な睡眠不足は同様にはいきません。睡眠不足がもたらす心身への悪影響は決して少なくなく、血糖値の上昇や心拍数の増加による心臓への負担増大、それに伴って心疾患、高血圧、糖尿病、動脈硬化のリスクも高まります。また、ホルモンバランスが崩れることで免疫力の低下やうつの症状を引き起こすこともあるのです。

どんな仕事であれ、睡眠不足によるミスは許容されるものではありませんが、1つミスのが患者さんの命を左右する医師であればなおさらのことです。診療や手術など患者さんに対する際には、医師自身が万全の健康状態であることが望まれます。そういった意味でも健康に対してさまざまな弊害をもたらす睡眠不足は、絶対に避けなければならないのです。

 

特に働き盛りの若い医師は睡眠不足の傾向に

2014年にアイシン精機の寝具ブランド「ASLEEP」が睡眠に関して行った調査によると、アンケートに回答した人の約68%が5~7時間の睡眠時間で、5人に1人が5時間未満という結果が出ています。一般的に成人に必要な睡眠時間は、7~9時間と言われているため、多くの方がその基準よりも少ない睡眠時間であることが分かります。

一方の医師の睡眠時間はというと、医師専用サイト「MedPeer」(https://medpeer.jp/)が行った調査では78.9%が6時間以上の睡眠をとっているという結果が出ています。さらに調査を行った医師の約3人に1人に当たる34.2%が、7時間以上の睡眠を確保していると答えたそうです。この数値だけを見ると、多忙を極めるはずの医師ですが、睡眠時間においては一般の社会人とそんなに大差ないように見えます。

しかし、冒頭でも言及したように夜勤もこなす20~40代のいわゆる働き盛りの医師にとっては、昼夜が逆転することも多く、不規則な生活を強いられがちです。年齢別の睡眠時間では特に40代で3~4時間の睡眠時間が常態化しているケースも珍しくはありません。それなりの地位と経験を手に入れる頃のこの年代は、睡眠時間を削らなければいけないほどのハードワークが求められるので、健康管理においてこれまで以上に気を配る必要があるでしょう。

 

診療の際は常に心身ともにリフレッシュした状態が望ましい

生活リズムを劇的に変えない限り、睡眠時間を急に増やすことは難しいでしょう。ただ、医師という職業で患者さんの命を預かる以上、自身の体調を万全とするためにも何らかの対策を講じる必要があります。その対策の一つとしておすすめできるのは、睡眠時間を1日で考えるのではなく、1週間で合計42~49時間寝ることを意識する方法です。

夜勤勤務や患者さんの急患対応などがあり、規則正しい生活が難しい医師の場合は、睡眠時間を確保できる日とそうでない日の差が顕著にでます。多忙でほとんど眠れなかった日の翌日は9時間寝るといった形で、1週間単位でバランスを取ってみることで極端な睡眠不足を解消するようにしましょう。睡眠不足の疲れは蓄積するものなので、規則正しい毎日を送れない医師の場合は、1週間単位、もしくはそれ以上のスパンで見て睡眠のバランスを保つよう意識することが大切です。

また、どうしてもまとまった睡眠時間を確保できない場合は、短時間でも身体を休める、好きな音楽などを聞いてリラックスすることを心掛けてください。睡眠不足でぼーっとした状態では、しっかりとした診療ができないばかりでなく、患者さんに不安を与えかねません。患者さんに安心して治療を受けてもらうためにも、医師として睡眠を十分にとり、リフレッシュした状態で患者さんに向き合いましょう。どうしても眠気に勝てないという場合は以下のリフレッシュ法を試してみてください。