【開業医企画】税理士にすべて任せるべき? 開業医の税金対策について|ドクターズアイ.com

開業医にとって不可欠である税金対策

portrait of a happy businessman calculating finance

現役医師の皆様のお役に立つ情報を提供する「ドクターズアイ.com」が、開業医に関連したトピックスをコラム形式でお届けします。今回は開業医の税金対策を題材にしたコラムです。開業医は医師であるのと同時に経営者でもあるため、帳簿の管理や金融機関との交渉、資金繰りなどの財務に関しても自身で行う必要があります。診療のかたわらで財務関係の事務作業を抜け漏れなくこなすことは決して容易ではないだけに、日々の財務管理や節税対策はどのように行うのがベストなのでしょうか?

 

個人事業主の税金の仕組みを把握しましょう

医院を経営するうえで、多くの開業医の方の頭を悩ませるのが税金対策です。勤務医は病院に雇用されている立場のため、一般のサラリーマンと同様に「給与所得」として税金を納めます。一方、開業医になって個人事業主になると課税の仕組みが変わり、所得税の区分は「事業所得」となります。つまり、病院経営における事業の所得で税金を支払う必要性が出てくるのです。

【所得税の速算表】
課税所得国税庁HP(https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm)より

平成27年から所得税に関しては上記の速算表の税率が適用されています。つまり、所得が多ければ多いほど税率が上がる仕組みになっているのです。これを「累進課税」と呼びます。たとえば事業所得が4,000万円を超える場合、所得税は45%です。さらにこれに追加して10%の住民税を支払う必要があり、合計で税率は55%になります。このように何も対策を行わなければ、高所得であったとしてもその半分以上の納税を余儀なくされるのです。

税金対策はもちろん、医院経営を一人で行うのは困難

勤務医時代は診療を的確にこなすことで評価され、そして毎月安定した給与を手にすることができました。一方、開業医になると利益を上げれば自身の懐に入りますが、一生懸命に働いていても赤字が発生するケースも珍しくありません。病院経営には医師としての能力はもちろんのこと、経営者としての能力も同様に必要とされます。特に無駄に税金を払いすぎることがないように、節税はすぐ取り組むべきだと言えるでしょう。

ただ、一口に節税と言ってもその方法は非常に多岐にわたるだけに、病院経営を行いつつ独学で税金対策に役立つ経理や会計の知識を身につけることは簡単なことではありません。そのため、税金対策に関してはその道のプロである税理士に相談することがベターだと言えます。

さらに信頼できる税理士と手を組むことができれば、税金対策に加えて増収のための資金繰りや経費削減、業務の合理化などに関するアドバイスも受けられます。税理士と提携することで期待できるサポート内容は以下の通りです。

税理士医院サポート

 

医療分野に長け、財務相談ができる税理士がベスト

医院経営において税理士のサポートは不可欠とも言えますが、どんな税理士と契約するかは非常に重要です。どの分野においても有能な人材といっしょに仕事をすることが成功への近道ですが、医院経営においても当然ながら例外ではありません。税金対策はもちろん、財務の相談に関しても親身になって対応してくれる税理士が望まれます。また、医院の経営が安定すると税務署による税務調査が行われることがあるので、その場合に備えて「どんな準備をするのか」が明確な税理士だと心強いのではないでしょうか。

医療業界に精通しているかどうかも重要なポイントです。たとえば個人経営の医院の場合、法人化を図り、“累進課税の所得税”を“比例税率の法人税”にすることで税負担を軽減できます。ただ、その際は役所などの事務手続きなども増加するので、そうした煩雑な業務も率先してサポートしてくれる税理士だと安心できるはずです。

節税対策や財務管理のために経理や会計の知識に長けたスタッフを医院で雇うことができれば言うことはありませんが、個人経営の規模の病院ではそれも難しいのが現状ではないでしょうか。したがって、医院の経営を的確にサポートしてくれる優秀さと、医療分野に関する知見を併せ持つ税理士と手を組むこと――それが医院経営を円滑にするためにはベストな方法だと言えるでしょう。