開業医の経営者としての悩み~歯科医院のWebからの集患~|ドクターズアイ.com
歯科医院が生き残るために不可欠なWeb戦略
現役医師の皆様のお役に立つ情報を提供する「ドクターズアイ.com」が、“開業医の経営者としての悩み”についてのシリーズコラムをお届けします。第4回は歯科医のWeb集患を題材にしたコラムです。総務省が発表した平成26年通信利用動向調査によると2014年末の時点でのインターネット利用者数は1億18万人で、普及率は82.8 %に達しています。もはやインターネットで情報収集するのが当たり前の時代なだけに、歯科医院がWeb集患をするにも工夫が必要になります。
コンビニよりも数が多い歯科医院
24時間営業で身近にあり、便利なお店として小売物業界で急成長を見せているコンビニ。特に都心部では数メートルごとに店舗が存在するなど、現代の日本人には欠かせない業態であると言えます。日本フランチャイズチェーン協会が2016年5月に発表した全国のコンビニの店舗数は、54,195店舗。かなりの店舗数がある印象を受けますが、実はコンビニより歯科医院の数の方が多いということをご存知でしょうか?
厚生労働省が2014年8月に発表した医療施設動態調査によると、歯科診療所の数は68,836医院にのぼります。これはなんとコンビニを1万4千軒以上も上回る数です。そのため、歯科医院は患者さんを獲得するために、常に厳しい競争下にさらされていると言えます。歯科医院は今でもその数を増やし続けているだけに、生き残っていくためには集患方法を工夫することは不可欠です。その中でもWebの有効活用は、現在の集患方法としてもっとも重要な施策だと言えます。
サイト保有だけでは他院との差別化は難しい時代に
冒頭でも触れましたが、国民の10人に8人以上が利用しているインターネット。そのため、業界を問わず顧客を獲得するためには、Webを活用した商業戦略が欠かせません。もちろん、その傾向は歯科医院においても例外ではなく、いまや自院のサイトを持っていない歯科医院の方が珍しいという状況です。街の小さな歯医者でも医院選びの参考にしてもらうために自院の魅力を載せたホームページを開設しており、集患に役立てています。
しかし、前述したようにいまや自院サイトを保有していることは当たり前であり、単に一般的な治療内容や医院の住所・休診日などを掲載しているだけは他院との差別化はできません。全国に歯科医院は7万軒近く存在し、ものすごく競合が多い業種なだけに、他院とは違った魅力を打ち出すことはWeb戦略において必須事項であると言えるでしょう。
では群雄割拠の歯科業界において、一目を置かれるサイトを保有するためには何が必要なのでしょうか? 間違いなく重要なことは“独自性を発信すること”です。ユーザー、つまり患者さんの目線に立ってみるとわかるかと思いますが、全国に7万もの同業が存在するだけに、特徴のないホームページでは印象に残りません。存在を知られなければ集患にもつながらないだけに、まずは自院のサイトでは、医院だけのオリジナルな情報を発信することに注力することをおすすめします。
医院の独自性を打ち出す「ブランディング」を
近年の日本社会では、大企業の間だけでなく、中小規模の会社でも自社のオリジナリティーを発信する「ブランディング」の重要性が浸透しつつあります。いわゆるバッグや財布などの「ブランド物」のように持っているだけで価値がある、名前を聞いただけでどんな物かがわかる場合は、“ブランディングが成功している商品”なのです。そして、このブランディングにおける考え方は、歯科医院においても当てはまります。それぞれの医院が独自のブランドを確立しようとする意識を重要になります。
「そんなブランディングなんて言っても、うちにはそんな特徴はないよ」という院長先生もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。人間一人ひとりが違うように、歯科医院にもそれぞれのカラーが存在するのです。たとえばサイト内に以下の5つを実践するだけでも、かなりの独自性を打ち出すことができます。
上記の内容を漏れなく実践するだけでもサイトの見え方は大きく異なります。数ある歯科医院のサイトの中から、“気になるサイト”という印象を持ってもらうだけでもブランディングは成功と言えます。たとえば「インプラントが得意な歯医者さんだね」、「院長先生の治療方針が信頼できる」「ロゴマークやキャラクターが印象的」と他院との違いを認識してもらうことが望まれます。当たり前の情報を発信しているだけでは、もはやWeb戦略においては時代遅れです。他院との差別化を図るために独自性を打ち出すブランディングを積極的に行うことが不可欠だと言えます。